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税理士がっきー
- 税理士試験を受験するということは、あなたの周りの方々の人生にも影響が出るほどの一大プロジェクトです
- 期限を設定し、理解していただいた上での共感と協力を取り付けてください
- 受験に専念できる環境を整えることが合格への一番の近道です
- やみくもに時間がある方よりも、何かを背負った人の方が強いと思います
- 読まなくていいです。
- きっと読まない方がいいです。
- きれいごとではなく事実を書きます。
- やる気がなくなるかもしれません。
- それでも読みたい方お進みください。
ほんとやめた方がいいですよ
私はこんな感じでトータル4年で学生のうちになんとか合格できました組です。
・学部3回生から受験を開始
・簿記論3回目合格(大学院1年次)
・財務諸表論4回目合格(大学院2年次)
・税法3科目は大学院修士論文で免除
そんな私が偉そうなことも書けませんし、言う資格もないと思います。
大学と専門学校のダブルスクールに受験費用を稼ぐためのアルバイト、勉強時間の確保。
簿記論、財務諸表論ですら1科目あたり年間500時間以上は勉強しています。
大学院は日本育英会で200万円ほど借りました。
私は私なりに試練を乗り越えてきたと自負しています。
そんな私ですが
社会人になって周りの方々、つまり社会人の税理士試験受験生をたくさん見てきて、相談も受けたりしてきました。
そんな中で
やはり「マジ本気の覚悟」があっても報われなかった
合格できなかった
もしくは合格まで10年近くかかった方
が圧倒的に多かったのも事実です。
たまたま私の周りがそうだったのかもしれません。
精神的にも続きません
こんな感じで3年や5年とか10年とか続きますか?
3年も5年も費やして3科目、4科目合格しました。
あと1科目。
残り1科目に5年かかる方もいましたし、残り1科目のために大学院に行く方もいました。
トータル10年でも終わらないかもしれません。
初受験の頃2歳だった子供が中学生12歳になっています。
子供と遊び、子供の成長を見守る大事な10年です。
それでも受験し続けますか?
今、恋人はいますか?
- 税理士試験に合格したら結婚するのですか?
- 合格まで恋人は待ってくれますか?
- 本当に待ってくれますか?
彼女が大手企業、彼氏が個人事務所ってパターンも。
やはり受験に時間がかかると劣等感が・・・
- 恋人の方が先に合格した場合、どうなりそうですか?
- 恋人は新しい人生を歩みだしていますよ。
- あなたはそれを心の底から応援できますか?
公認会計士のカップルではよく見かけました。
彼女の方が先に、大手監査法人に就職するパターンです。
彼女はキラキラした世界に行ってしまいました。
あなたはまだ受験生です。
- 恋愛は後回しでいいですか?
- 今は20代でも30歳過ぎてから恋愛することになるかもしれません。
- 周りはコンパしたり、結婚したり、子供が生まれたりします。
- 置いてけぼり感MAXです。
- 本当に耐えられそうですか?
それでも受かる保証はないのです。
それでも覚悟はありますか?
- 周りの理解は取り付けていますか?
- 受験に専念できる環境はありますか?
土日は受験専門校(自習室)での生活がメインになりそうです。
自宅でなかなか勉強できなければ、図書館や受験校の自習室がオススメです。
通学していれば、ライバルは受験に専念できる大学生と無職の受験生が多いです。
ものすごく本気で受験勉強していて、その姿を間近で見ることができます。
個人ロッカーに歯ブラシや電気カミソリ、クッション、マグカップなど生活雑貨が充実している受験生もいます。
受験専門校の自習室で生活していて自宅には寝に帰るような方々もいます。
それくらい勉強に専念しています。
この若い記憶力も理解力も抜群のライバル達に勝てますか?
初学者に勉強の仕方をレクチャーしている「なかなか受からない受験専門家」もいます。
こういう方と話をすると、成績上位の方が多いので、勉強の仕方、とても参考にはなるのです。
でもこの人たち、合格していないのです。
1年1科目ずつ合格して5年で5科目揃って合格、残念ながら見たことも聞いたこともありません。
やはり多いのは3年から5年で合格、1年に2科目、3科目の複数科目受験をしています。
残り1科目で8年目、9年目とかも多いです。
辞め時決めていますか?
- 自分一人の人生ではないのです!
- 必ず期限を設定してください!
私が受験生だった頃は、科目別合格通知がクリスマス頃に届くのです。
2年連続合格科目なし。
クリスマスも、正月もドンヨリします。
本人は当然ですが、家族や応援してくれていた仲間や友人もドンヨリします。
重い空気のクリスマスです。
家族みんな笑えません。
会話が弾むことはありません。
”明石家さ〇ま”を観ても全く笑えません。
周りからいろいろ心配されるのですが、その言葉が超うざく感じます。
・人生やり直した方がいい。
・なかなか立ち直れない。
年も明けて、簿記論と財務諸表論のテキストや問題集を押入れから嫌そうに出してくる。
またやらないといけない。
先に進めない。
合格しなければ何もしていないのと同じ。
参加することに意義はない。
合格することに意義があるのです。
本気で勉強できるって素晴らしいこと
- 税理士試験って孤独です!
- 人生かけた大勝負です!
- こんなチャンスは二度とない!
税理士試験を受験していることは友人にも話していました。
大学の前期試験が7月にあり、税理士試験の追い込みと重なります。
そのことで『前期試験のせいで税理士試験受からないかも』と弱音を吐きました。
そうしたら『前期試験の前に決着ついてるんじゃないの?いまさら慌てても遅いって!』
「はっ!」と気づかされた初受験でした。
そんな友人にはその後も助けられました。
受験生であった毎年7月の1か月間は「禁酒月間」に指定されました。
おかげで、よくある「誘っても付き合い悪いよなこいつ」的なことはシャットアウトされました。
「こいつ禁酒月間だから」と説明してくれるのです。
そして、税理士試験が終わったその日の夜は、毎年決まって居酒屋へ拉致されました。
基礎答練を何度も何度も解きまくること
とにかく、上級答練、応用答練よりも「基礎答練」を何度も何度も解きまくることです。
不合格の翌年、3月くらいまでには基礎答練、応用答練を3回転くらい回して、受験レベルにもっていかないといけません。
私の場合、2年目に簿記論と財務諸表論の上級コースに通学していました。
ものすごく複雑な特殊商品売買とか新しい問題もいっぱい解きました。
しかし2年目も不合格でした。
3年目以降、もう直前の試験委員対策(通常コース)からしか通学しなくなりました。
そのころには、特に基礎答練(2時間問題×7回)を10回転くらいやっていました。
それも、最後の方では2時間問題を1時間で解けるくらいスピードアップしていました。
繰り返し繰り返し基礎問題を解きまくる!
当たり前かもしれませんが
「基礎って大事だ」
と思い知らされました。
本試験では精神的に追い詰められます
とにかく、すべてにおいて徹底的に慣れておくことに集中することです。
そのためには、用意周到な準備が必要です。
- 電卓ミスをなくすこと
- 筆記具のボールペンもトコトン研究
※ペン先の滑りがよく、グリップも滑らず無駄に力が入らないもの
※税理士試験はボールペンのみで修正液不可でした。
私が受験した時代、もう20年以上前のことですが、8月試験なのにエアコンがありませんでした。
唯一、沖縄会場のみエアコンがあったので沖縄受験する受験生もいたほどです。
試験会場のテーブルは小学生の机みたいに狭いものでした。
A4の問題用紙を広げると計算用紙と解答用紙が隠れてしまいます。
いつもとは勝手がかなり違う受験会場でした。
私は自宅でエアコンなし、テーブルは小さいものを使用して本試験対策を行っていました。
本試験会場でもTシャツを新しいものに着替えるなど
とにかく少しでも快適に過ごそうと努めていました。
本試験までの過ごし方
本試験直前になって、いつもと変わったことをやろうとしてはいけません。
試験前に追い込みして寝不足になるとか、普段は夜型なのに試験当日だけ朝型になるとか、あたまが働かなくなります。
- とにかく「健康管理」と「マイペース」を崩さないことに専念してください
- 本試験の2時間で1年かけて準備してきたことの100%を出し切ってください
風邪をひくとかもってのほかです。
勉強しなくてもいいから睡眠時間をしっかりとってとか。
試験開始が9時からなら6時には起きる習慣を前もってつけておくとか。
それくらい事前準備に力を入れてほしいということです。
開始の合図から5分間が勝負を決める
私は2年目以降、開始の合図から5分間、問題文をすべて読むことにしました。
その5分間でしたことはこんな感じです。
- 時間配分を決めました。
- 計算用紙(わら半紙1枚)の使い方を決めました。
- 特に「計算60分問題」の問題文の最後の方に重要な計算条件が書かれている場合があります。
- 捨てる問題を決めるが解答用紙に空欄は作らない。
悩んでいる時間が多いと最終問題まで解ききれない、というミスを防ぐためです。
受験勉強の頃から意識していました。なぜなら、このメモを解答用紙に転記することが多いので転記ミスしない書き方を研究していました。
貸倒引当金の設定条件とか、最後の方にあったりしました。
何かしら記入しました。間違えていても計算に自信がなくても何か記入しました。
採点者の立場になって丁寧に書く
採点者の立場になって、下手でもいいから丁寧に書くことで1点でも多く拾ってもらえる可能性があります。
受験校の答練の採点は、なるべく点数を高くしようと点数拾ってくれるのです。
実は試験委員の経験がある税理士に聞いたことがあります。
試験委員は1万枚の答案を採点しなければならないので、読めない字とか字数制限オーバーとか可哀想だけど、拾ってあげている余裕はないのだそうです。
ちなみに、私が財務諸表論に合格した年の答案に、「把握」を「握把」と書いてしまい、合格発表までドンヨリしていたのを思い出しました。
こういうありえそうもないミスをするのが本試験なんです。
そういえば、初受験の簿記論の『では始めてください』の声と同時に、周りで電卓の音が鳴りだして、ものすごく焦ったのを覚えています。
問題文を読めているわけでもないので、これもライバルたちの作戦だったのかもしれません。
こんな作戦に何の意味もありません。
最後の5分間で必ずやること
その5分間でしたことはこんな感じです。
- 下書きから答案用紙への転記ミスがないかどうか
- 計算ミスがないかどうかの検算
この最後の5分間がなかなか作れないから、最初の5分間が重要になってくるのです。
問題文を精読する5分間で、残りの115分間の使い方が決まります。
※税理士試験の試験時間は1科目2時間です。
確認の5分を確保できればいいんだけど。。
違うんです!
この時間を意図的に作ることが大事なのです。
計算ミスや誤字脱字などで1年を棒に振りたくはないのです。
人生80年なら1年/80年です。
1点で合否が分かれるのです。
ケアレスミス封じ込め作戦だけは完遂しなければなりません。
確かな手ごたえって本当にあります
なんとか、受験3年目に簿記論、4年目に財務諸表論に合格しました。
受験が終わると「解答速報」とか、いわゆる「答え合わせ」を受験校が提供してくれます。
ボーダー何点とか計算して自己採点しますよね。
不合格の2年間は、ボーダー上にいましたが不合格でした。
合格した年は、ボーダープラス10点ぐらいは自己採点でありました。
というか、本試験が終わった瞬間に「終わった(合格した)」という実感がありました。
決して自慢話ではないです。
今思えば、家族全員受験体制でした
私が受験時代からつい最近まで使っていたカシオの電卓は、今は亡き母からのプレゼントでした。
私の母は2016年4月に急に亡くなってしまいました。
2016年7月に独立した私の「このオフィス」を見ることはありませんでした。
残念ながら間に合いませんでした。
母は長年、慢性関節リウマチを患っていました。
そんな母が、私が税理士試験の合格通知が届いて「合格」の文字を見た瞬間、私と抱きあって「ジャンプ」したのをよく覚えています。
「やったー」とか「うれしい」とか、そういう感情ではなかったのです。
やっと終わったという「安堵感」に包まれていました。
母の愛を感じました。
GWまでに勝負を決めよう
GWから試験委員対策も本格化してきます。
4月の頑張りが合否を分けるかもしれません。
まだ合格レベル到達に間に合うタイミングです。
税理士試験頑張ってください。
はやくお仲間になりましょう!